進学したい・させたい、でも家にはお金がない・・・どうしよう・・・と悩んでいる学生さんや親御さんは、結構多いのではないのでしょうか?
というよりも、最近の景気を考えると、進学にかかるお金の心配がない人のほうが少数派だと思います。
わたし自身も、奨学金+アルバイトでなんとか大学に進学し、今度は子供の進学資金で頭を悩ませた経験があるのでこの気持ち本当によく分かります。
「お金がないから自分に進学は無理だ・・・」と思い込む前に、今現在お金がなくても進学を可能にする進学費用の捻出方法ってあるって知ってますか?
どんな方法だと思いますか?それをこれから紹介しますね!
お金がなくても進学する3つの方法
その方法とは、大きく分けると
- 給付型の奨学金を利用する(給付型奨学金)
- 返済義務のある奨学金を利用する(貸与型奨学金)
- 進学ローンを利用する
の3つになります。
「なんだぁそんなの知ってるよ!」という声が聞こえてきそうですが、本当に中身を詳しく知っていますか?
同じ奨学金という名前のものでも、条件によっては、返済義務がなくなるものも結構あるんですよ!中身を詳しく知るとはそういうことです。
そのことを知っているか知らないかでは、将来の人生設計にに大きな差が出ます。
私自身も、本来なら返済義務が免除になる奨学金を借りられたはずなのに、そのことを知らなっかったばかりにすごく後悔したのですから・・・・
だからこそ今このページをご覧になっている皆さんには、中身をしっかりと知って欲しいと思っています。
給付型の奨学金(返さなくてよい奨学金)を利用して進学する
給付型の奨学金とは、奨学金の給付を受ける条件をクリアしていれば、「返済しなくてもよい」奨学金のことです。
あっ返済する義務がないと書きましたが、
ある一定の条件・・・例えば、成績不振のために留年してしまったりすると、給付を止められるだけでなく、過去に遡っての返済を求められるケースもあるので注意が必要です。
国の給付型奨学金
日本学生支援機構(JASSO)の返済する必要がない奨学金です。月に給付される金額は2万円~4万円です。
この奨学金の給付を受けられるのは、以下の主旨に当てはまる生徒になります。
経済的に困難な状況にある低所得の生徒に対して、大学等への進学を後押しすることを目的としています。
出典:日本学生支援機構
この経済的困難な状況を具体的にいうと、
(1)住民税非課税世帯の生徒(家庭の総収入が住民税免除となる家の生徒)
(2)生活保護を受けている世帯の生徒
(3)児童養護施設等に入所している生徒
になり、利用できる学校は、大学・短期大学・専修学校等になります。
この奨学金は予約採用となるため、進学する前に在籍する高校から推薦してもらい、日本学生支援機構(JASSO)に予約奨学生の申し込みをしておく必要があります。
民間の団体が運営する給付型奨学金

民間の団体というのは、大企業の設立した公益財団法人や一般社団法人がメインとなります。特徴としては、以下の点があげられます。
- 給付を受けられる進学先(主に大学)が指定されているものもある
- 特定の地域出身または、在住している生徒だけが受給できるものもある
- 特に学校・分野や出身地などが定められていない場合には、筆記試験で選抜される実施されることが多い
- 女性のみや留学する生徒のみ、交通遺児のみなど細かな目的別で申込資格が分かれているものが多い
- 労働の対価として給付型の奨学金を受け取れるものもある(新聞奨学生など)
ここまで、特徴を挙げて気付かれた人も多いと思いますが、この民間の給付型奨学金は非常に多数存在しています。
ここで全部は紹介しきれませんので、上にあげたそれぞれの特徴に合う給付型奨学金をいくつか紹介していきますね。
1.学校が指定されている給付型奨学金
日本たばこ産業株式会社(JT)が主催する奨学金です。
指定の国公立大学への進学を希望する高校生に奨学金を給付しています。高校生のうちに申請を行い認可されると奨学生内定者となることが出来ます。
奨学生内定者は、合否を問わず受験費用として一時金30万円が給付されるなど、手厚い給付が受けられます。
2.特定の地域に在住している生徒が利用できる給付型奨学金
岐阜県出身または在住で、全国4年制の国公立大学、私立大学進学を目指す人が対象になり、奨学生に採用されると毎月3万円が支給されます。
地方自治体が主体となった給付型奨学金は高校生までが主体で、それ以上の学校については、数が少ないのが実態ですが、その地方にある公益財団法人などが主催する、大学在籍中に受給できる給付型奨学金は沢山あります。
自分が住んでいる地域(または進学する地域)+奨学金というキーワードで検索すれば沢山見つかりますよ!
3.筆記試験などによって選抜される給付型奨学金
4年制以上の大学に入学を予定する生徒が応募することが出来ます。
選考は
- 一次選考:書類選考
- 二次選考:筆記試験(英・数・国・小論文)
- 三次選考:面接試験
にて実施され、合格すると月額4万4千円〜6万円の給付型奨学金をもらうことが出来ます。
4.特定の条件(女性や交通遺児など)が利用できる給付型奨学金
労働災害(労災)で死亡や障害を負ってしまった、親を持つ子供や、本人に奨学金が給付されます。
月額3万円を1年間受け取ることが出来ます。
5.労働の対価として受け取ることが出来る給付型奨学金
「新聞奨学生」という言葉で馴染みのある給付型の奨学金です。
新聞奨学生の特徴は、返還不要の奨学金を受け取れるだけでなく、給料も受け取ることが出来るという点です。
奨学生の仕事は、朝刊・夕刊の配達・チラシの折り込み等です。
業務時間は、平均5時間程度~6時間程度のものが多いようです。(労働時間によって奨学金の額・給料に違いがあります)
また、冷暖房完備の個室のアパートも完備されています。
貸与型の奨学金を利用して進学する(条件によっては給付型にもなる)
貸与型(学校を卒業したら返済しなければならない)奨学金は多数あります。
貸与型奨学金の多くは、低金利または利子がなく、給付型の奨学金に比べ、審査や条件が緩いため利用しやすいといった特徴があります。
貸与型奨学金のなかには、卒業後、一定の条件を果たすことで返済義務が免除されるものもあります。
国の貸与型奨学金

日本学生支援機構(JASSO)の運用する貸与型の奨学金です。種類としては以下の2種類になります。
第一種奨学金
- 無利息
- 高校1年~3年の学業評定平均が3.5以上又は、機構の定める基準に該当する人
- 収入・所得の上限額の目安が下表以内
世帯人数 給与所得者 給与所得以外 3人 657万円 286万円 4人 747万円 349万円5人 922万円 514万円 出典:日本学生支援機構
第二種奨学金
- 年利息3%以内
- 学業評定平均などの数値基準は定められておらず、極端に成績が悪くない限りは問題ない
- 収入・所得の上限額の目安が下表以内
世帯人数 給与所得者 給与所得以外 3人 1,009万円 601万円 4人 1,100万円 692万円5人 1,300万円 892万円 出典:日本学生支援機構
病院などの貸与型奨学金(一定条件を満たせば返済が免除になるものが多い)
慢性的に人材が不足している看護師や助産師などに対して、病院が支給する奨学金です。
奨学金を受けた年数+2年程度をその病院に勤務すれば返済を免除されるものがほとんどです。
この病院奨学金は、多数の病院にあります。看護師や助産師を目指す方は、自分が将来勤務したいと思っている病院のHPを調べてみるか、問い合わせてみると良いと思います。
例として「中部ろうさい病院」の病院奨学生を紹介しますね(労災病院系列は奨学金が充実しています)
学校卒業後、目的とする資格を取得し、奨学金を受けた月数+2年を加えた期間を「中部ろうさい病院」で勤務すれば、返済免除となります。
- 貸与対象者:15名程度
- 貸与額:月4万円~8万円
- 選考方法:書類審査・作文・面接
社会福祉協議会(社協)の奨学金
社会福祉協議会(社協)は全国組織で各都道県に設置されており、生活や様々な場面で困りをかかえた人に、低金利で貸付等を行ってくれる組織です。
日本学生支援機構などでの奨学金が断られた場合でも貸し出しをしてくれるケースが多いのが特徴です。(日本学生支援機構の奨学金が借りられる場合そちらが優先されます)
教育に関しては、教育支援金と就学支度金の2種類の貸付があります。それぞれの特徴を簡単に説明すると。
教育支援金
高校・大学・高等専門学校等の授業料を月額3万5千円~6万5千円の範囲内で借りることが出来ます。(学校・授業料によって金額は変動します)
就学支度金
入学時に必要となる一時金・・・入学金や制服代、教科書代などを50万円の範囲内で一括借入することができます。
申込は、今自分がお住いの都道府県にある社会福祉協議会の事務局で受けてくれます。全国の社協のHP・連絡先については、コチラのリンクから探してみてください。
介護福祉士修学資金等貸付制度
各都道府県の社会福祉協議会が独自に行っている介護福祉士を目指す学生に向けた奨学金になります。(都道府県によって制度そのものがあったりなかったりします)
基本的には貸与型の奨学金となりますが、病院奨学金と同じく、ある一定の条件を満たせば返済が免除されます。
例として、鹿児島県の社協が行っている介護福祉士修学資金等貸付制度について紹介しますね。
- 応募資格:鹿児島県内に住民登録されており、県内の介護福祉士の養成施設に入学する人等
- 支給額:【学費】月額5万円以内、【生活費】:月額3万円以内、【入学時一時金】20万円以内、【卒業時一時金】20万円以内
- 返還免除の条件:卒業後1年以内に、介護福祉士の登録を行い、鹿児島県内にて、介護福祉士として5年間勤務
- 選考方法:書類審査
進学 ローン|国の進学ローンや銀行の教育ローン

これまでは、奨学金をメインに紹介してきましたが、この他にも教育に関する資金は、国の教育ローンや銀行の教育ローン、信販会社の教育ローンなど多数あります。
日本政策金融公庫の教育ローン(国の教育ローン)
日本学生支援機構の奨学金と併用して利用することが出来ます。所得が低い方でも借りやすいといった特徴があります。
インターネットでの申し込みなどにも対応しており、主な特徴をまとめると
- 貸付最大額:350万円(留学の場合は450万円)
- 年利:固定金利 1.76%
- 返済期間:15年以内(一部条件を満たしていれば18年以内)
といった内容になります。
民間銀行の教育ローン
都銀~地銀まで様々な銀行で教育ローンを扱った商品はありますが、利息は大体3.5%~4%台と日本政策金融公庫と比べると割高なところが多いようです。
ですが、そのぶん融資限度額が高めで、借入の用途が塾などの費用にも適用される等、柔軟な部分も多いようです。
信販会社などの教育ローン
最近では、信販会社などが学校と提携し、銀行とそれほど変わらない金利で教育資金を貸し出すケースが増えています。
信販系+教育ローンというキーワードで検索すれば沢山見つかりますよ!
進学費用の調達方法まとめ
私の場合、子供の進路を決める際、進学先のパンフレットや募集要項を見て、進学に必要なお金の問題はすっかり分かった気になっていました。
ですが・・・そこに落とし穴があったんです!
募集要項などは、ちゃんと隅々まで見て金額を合算してなっかったものですから、いざ費用を支払う段になった時に、予想外な金額になったんです。
ここで、紹介した方法は、その時になんとか進学費用を調達するために、自分で調べたものがメインです。
私の子供の場合は、たまたま一定期間所定の施設で働くことで返済が免除される給付型奨学金を受けることが出来ました。
進学したい・させたいけどお金がない!という時には、こうやって色々調べてみると思わぬ方法が見つかりますよ!