グルーガンは100均などでも安価で手に入るため、使ったことがある方も多いと思います。
ですが、「思ったようにくっつかない」とか「接着面が糸を引いて汚くなった」といった経験がある方も意外と多いと思います。
グルーガン最大の特徴は、グルーガンで溶かしたグルー(合成樹脂)を使って、「素材を選ばず、ほぼなんでも接着できる・・でも接着強度はそこそこ」ということです。
このようにグルーガンは、手軽でとっても便利なんですが、ちょっとした使い方のコツや基礎的な知識・・・例えば
- どんなものを接着できるの?接着強度は?
- グルーが糸をひくときにはどうすればイイの?
- 間違って付けたグルーを取りたい場合はどうすればイイの?
- どんなグルーガンでも違いはないの?
といったことを知っていれば、もっともっと活用の場は広がっていくと思います。
そこで、グルーガンを上手に使いこなすための、様々な疑問やちょっとしたコツについて情報を書いていきたいと思います。是非参考にしてくださいね!
グルーガンの使い方のコツ
初めてグルーガンを使う方もいると思いますので、コツやよくある疑問に入る前にまずは、グルーガンの基本的な使い方を紹介しますね。
グルースティックをグルーガン後方の穴に差し込み、電源を入れる。
(グルースティックが入らなくなるまで奥に差し込むこと)
グルースティックが溶け出すまで5分程度待つ・・・このときにグルーガンのノズルは必ず下向きにします。こうしないと、溶けたグルーが逆流して故障の原因になりますヨ。
また、溶けたグルーがこぼれ落ちることがあるので、下に紙などを引いておいたほうがイイです。

溶けたグルーは、グルーガンの引き金を引くと出てきます。グルーは写真のように結構粘り気があります。引き金を戻すと止まります。
接着したいものを溶けたグルーに30秒~1分程度押し付ける。その後グルーが冷えるまで2分~3分程度放置すると完全に接着されます。
グルーガンでどんなものが接着出来るの?コツはあるの?
グルーガンは、色々な素材を手軽に接着できますが、接着出来るものには相性のいい素材と悪い素材があります。
例えば、グルーガンは、表面がつるつるしている素材同士の接着は苦手です。また、固まるのが早いことから、広い面を一気に接着するのも得意ではありません。
表面に細かい凹凸のある、ざらざらな接着面のほうが、しっかりと接着できますよ。
グルーガンの接着強度を上げるには次の2つのコツがあります。
- 接着面を手で触らないこと。接着面に皮脂が付着すると、接着強度が格段に落ちてしまいます。接着前に洗剤で接着面を洗うか、それが出来ない場合は、メガネクリーナーなどで皮脂をふき取るとイイですよ!
- 表面がつるつるしたものを接着する場合には、接着面に紙やすり等をかけ表面に多少ざらざらをつくると接着強度があがります。
グルーガンで布を接着出来るの?接着強度は?
グルーガンで布を接着することは出来ます。
私が試した限りでは、コットンやフェル等はできましたが、ナイロン100%のもは、ペロッとはがれてしまいました。
接着強度は、乱暴に扱わない限りは、はがれたりすることはありませんが・・・試しに洗濯機で洗ってみたところ、結構な箇所がはがれてしまいました。
布にグルーガンを使うメリットは、セメダインなどとは違い、接着剤が布に吸い込まれないことですが、もし布同士をくっつけるのであれば、縫い付けるのが一番だと思いますよ (笑)
グルーガンで紙を接着出来るの?接着強度は?
表面がコーティング加工されていない、一般的なコピー用紙のようなものであれば、十分くっつきます。
ですが、グルーガンで紙同士を接着するとグルーの厚みで隙間があきます。紙同士を接着する場合は「のり」が一番いいと思いますよ。
グルーガンでプラスチックを接着出来るの?接着強度は?
グルーガンでプラスチック同士を接着することも十分可能ですが、接着強度そのものはそこまで高くありません。
ですから、置物などあまり動かさないものの接着には向いていますが、ある程度動かすようなものを接着する場合には、強力な瞬間接着剤などのほうが向いています。
ちなみに、プラスチック同士を接着したい場合には、グルーを接着面にほんの少しだけつけて圧着するのが接着強度を上げるコツです。
グルーガンで金属を接着出来るの?接着強度は?
グルーガンが最も苦手とするのが、金属同士の接着です。やってみれば分かるのですが、くっつけても、金属の重みなどで簡単にはがれてしまいます。
金属を接着するなら、ホームセンターなどで売っているエポキシ系接着剤を使ったほうが、硬化に時間はかかりますが、しっかりと接着出来ます。
グルーガンで木材を接着出来るの?接着強度は?

グルーガンと木材は相性のよい組み合わせです。ある程度しっかり接着できますが、棚などある程度重さがかかるものの接着には強度不足です。
上の写真のような飾りの接着なら問題ありませんが、ある程度荷重のかかるものの接着には、木ネジまたは木工用ボンドのほうが向いています。
グルーガンでグルーが糸をひいてしまう場合の操作のコツ
グルーガンを実際に使用してみるとよくわかると思いますが、グルー(樹脂)は粘り気があるのでよく糸をひきます。
糸をひく場合は、グルーガンの引き金を戻した状態で グルーの周りをくるくる回転させると糸がグルーに吸収され、キレイな玉状になります。
言葉ではニュアンスが伝わりづらいと思いますが、下の動画を見てもらえればよく分かると思います。
間違って接着したグルーをとりたい(はがしたい)場合のコツ
間違って付けてしまったグルーをとりたい(剥がしたい)場合には、ドライヤーで固まったグルーを加熱し、柔らかくなったところをすこしづつこそぎとります。
接着する時の手軽さとは、うってかわって結構時間のかかる地道な作業になります。コツは焦らずすこしづつ剥がしていくこと!!これにつきます。
また接着した素材が熱に弱い場合は、素材が痛んでしまう可能性があるので、なおさら慎重な作業が必要になります。
ダイソーなどの100均のグルーガンってどうなの?
一般の方が趣味のDIYでグルーガンを使うのなら・・・はっきりいって、100均のグルーガンで十分だと思います。
私は、100均のグルーガンとホームセンター等で大体1,000円程度で売っているグルーガンの両方を使ったことがありますが、特に不便さは感じませんでした。
強いて、ダイソーとかの100均グルーガンの欠点を挙げると・・・・
- コードが短いので取り回しは面倒⇒延長コードで解決
- ホームセンターのグルーガンに比べると予熱時に液だれしやすいかな?
といったぐらいのもので、大して気になりませんでした。
ただ、グルーガンにセットするグルースティックだけは、ホームセンターなどに売っている高いもののほうが、糸引きも少なく、グルーもまとまりがよくて、使い勝手が格段によかったです。
グルーガンには低温タイプと高温タイプの2種類がある?
もともとは、高温タイプ(170℃以上)でグルーを溶かすタイプがグルーガンの主流でした。
しかし、グルーガンそのものが一般に普及するにつれ、火傷の心配が少なく早く固まるので使い勝手のよい低温タイプ(130℃程度)のものが普及してきました。
ダイソーなどの100均に売っているのもこの低温タイプのグルーガンがメインです。
では、高温タイプのグルーガンにはどんな特徴があるのか・・・ちょっとまとめてみました。
- 低温タイプのグルーガンに比べて、接着強度が高い(しっかりと接着できる)
- グルーが固まるまでに、低温タイプのグルーガンよりも時間がかかる。
- 熱に弱い素材は、素材そのものを傷めたり、溶かしたりしてしまう可能性があるので使えない。
ちなみに、ホームセンターなどで売っている、グルースティックにも低温用と高温用がありますので、グルースティックを買うときには注意しましょう!
グルーガンで接着以外にできること

これまで、グルーガンを接着用途で使用する場合のコツについて書いてきましたが、視点を変えれば、グルーガンはほかにも色々なことに使えます。
穴をふさぐ(穴埋め)
グルーガンで溶かしたグルーは粘り気があり、水を通しません。ですから器などのちょっとした穴埋めを簡単に行うことができます。
ただ、グルーそのものは固まっても弾力があり、またエチレン酢酸ビニルが主成分のため、穴を埋めた後のやすり掛けや塗装には向きません。
このことから、応急的に穴をふさぐとか、見栄えを気にしなのなら、グルーガンは「穴埋め」に十分に使用可能です。
ただ、穴を本格的にふさぐのなら、ホームセンターなどで売っているパテを使ったほうが修繕後、塗装もできますのでオススメですよ!
絶縁
グルーの素材はポリエチレン系なので、電気は通しません。ですから、絶縁加工に使用することはできます。
ただし、グルーは熱に弱いという点に注意が必要です。
熱を持つ部分の絶縁体として使用すると、加熱によるグルーの溶解・最悪は発火の恐れがあります。あくまでも応急処置的に使用するよう心掛けましょう!